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マンション管理人.com

管理人をやりながら、世の中の色々を見ていきたい。

小説「マンション管理人.com」第二話②

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http://www.ac-illust.com/

2016.12.03

 

 

 軽いノリの会話がしばらく続いたが、ふと間が空いた。
 雄介は察しの良い方だ。「なんだよ、言えよ」
 「いや、雄介に言っても仕方ない事かもしれないけど、ちょっと部長と西島が上手くいってなくてさ…」家康が困り顔が見えるようなトーンで話した。
 

 

 「あいつ、いま課長だよな」
 「そんなんだ。課長と部長が上手くいかないって言うのは困るんだよね」
 「う~ん。どこでもある話だけど、実際困るよな」
 「まぁ、俺はともかく下の連中が働きにくそうで…」
 「あ~目に浮かぶわ。別に上手くいっていない、これといった理由がない不協和音だろ?」
 「よく、わかるね」家康の苦笑が漏れた。
 

 「わかるよ~二人共よく知っているからね」雄介も笑った。続けて「次の土日、どうしてる?」雄介が言った。
 「え?いや別に予定はないけど…」
 「俺、そっちに行くから西島をキープしておいて」
 「いや、さすがにこっちの事で来てもらうのは気がひけるし…」
 「俺が花が舞うのママに会いたいだけだよ。前日にもう一度連絡するな」そう言うと雄介は半ば強引に電話を切った。

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http://www.photo-ac.com/

 雄介の家は比較的落ち着いていた。両親の事が心配になり帰ってきたわけだが、雄介が帰ってきた事で、父の情緒が安定したとケアマネージャーは言う。
 確かにあの状態の母を一人で看て、その看ている母から毎日辛辣な言葉を投げかけられたら、メンタルはやられるだろうなと想像出来る。そこに同性の息子が帰ってきたのだから、心強いだろう。

 

 実際雄介は今のところ、母の介護らしい作業はしていない。たんたんと、問題なく会社に通えているのだ。
 雄介はデスクの上にある、卓上カレンダーで印を確認した。次の金曜日から月曜まで、母はショートステイ予定になっている。

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 ショートステイとは、被介護者を短期間泊りで預かってもらうサービスだ。
 被介護者の状態だけでなく、面倒を看ている介護者がストレスや疲れがたまった時も利用して良い事になっている。  

 父の負担がオーバーしないように、雄介と菅野が相談して利用を決めた。母の拒否の程度を確認して、問題がないなら定期的に続けようと雄介は考えている。
 「うん。大丈夫だな。親父だけならひとりにしておける」とひとりごちた雄介は、花が舞うのカウンターに並ぶ、大皿料理を思い浮かべ口角を上げた。

 

 

つづく。

by おしょぶ~

 

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