おしょぶ~の~と

旧ブログ名「マンション管理人.com」2017.08改名

小説「マンション管理人.com」第二話④

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http://www.ac-illust.com/

2016.12.08

 

 

 二人は肩を組んだまま「花が舞う」の暖簾をくぐった。

 「あらあら、仲がいいのね」と、二人を見たママが笑いを漏らしながら迎えてくれた。

 「予約の席、大丈夫だった?」雄介の問いに
 「ええ、ちゃんとご用意させて頂いてます。いらっしゃいませ」とママは深くお辞儀をした。「いっらしゃい!小笠原さん」と奥から板さんの声もかかった。
 「どうも、ご無沙汰してすみません」と雄介は頭を下げながら、ボックス席の方へ向かった。

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 花が舞うはカウンター八席とボックス席二つの、小さな小料理屋だ。これが雄介が気に入っている理由の一つでもあった。一人で呑む事の多い雄介にとって、まずカウンター席がある事、こじんまりした静かなお店である事は外せない。
 

 大人数の時は、ナショナルチェーンで十分との雄介の考えだ。カウンター好きの雄介は三人までならカウンター席を選ぶのだが、今日はボックスを予約した。
 真剣な話になる事も十分考えられるのと、会社の人間が来る可能性もあり、今日に限っては顔をさしたくなかったからだ。
 花が舞うのボックスは、テーブルだが半個室タイプと呼ばれるもので、隣のボックスとも薄いが壁で仕切られ、正面はすだれがおり中が見えない。
  

 その、仕切りの壁は抜き取ることが出来るような構造で、団体席に早変わり出来る。 少し前の話だが、半個室が総合居酒屋でかなり流行った時期があった。大手チェーンがこぞって半個室タイプの店舗を市場に投入した。
 その時期に、古くなったお店の改装を考えていたママがこのタイプの席にした。顧客にも概ね好評で来店客が当時二割ほど増えた。

 

 「あ~この席は久しぶりだな」と言いながら、奥に西島をいざない反対側に雄介は座った。それを見計らったように柴田が到着した。
 「あぁ、ごめんごめん遅くなっちゃった」
 「いや、こっちも今来たところだから」と西島が受けた。

 

 三人が顔を見回し、理由なく笑った。
 「なんか、この三人で飲むのは珍しいもんな」と西島が振ると
 「まぁ転勤で仕事の絡みも出来た事だし、プチ同期会と言う事で」と柴田が反応した。
 そのやり取りを横目で見ながら「ママ~とりあえず生三つね」と、他の二人に確認することなく注文した。他の二人も異は唱えない。
 俗に言う、営業系サラリーマンの「とりビー」だ。

 

つづく。

by おしょぶ~

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