読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

マンション管理人.com

管理人をやりながら、世の中の色々を見ていきたい。

小説「マンション管理人.com」第二話⑥

小説「マンション管理人.com」
スポンサーリンク

 

f:id:masaru-masaru-3889:20161122204758j:plain

http://www.ac-illust.com/

2016.12.15

 

 しばらく軽めの話が続いたが、西島がタイミングを見たかの様に切り出した。
 「ところで雄介、この電撃福山訪問の目的は何?」
 「あ、やっぱりわかる?ただの同期会じゃないって」
 西島は半ば呆れたように鼻から息を出し、「何年お前と付き合って来たと思ってんだよ」と苦笑いで返した。
 

 

 「いや、俺から説明するわ」と柴田が会話に割り込んできた。
 柴田は先日雄介に、電話で西島と部長の金沢が上手くいっていない事を相談した模様を、正直に話しした。西島は柴田の話が終わるまで黙って聞いていた。
 「お前、いらん事言うなよ!雄介が心配するだろう!」と、若干攻め口調で柴田をとがめるように言った。
 

 

 「まぁ待て。家康はちょっと話しただけ。それに俺が食いついたんだよ」と雄介が言うと「いや、まさか雄介がこっちまで来るとは思わなかった…」と柴田が言った。
 「雄介は、そう言う奴なの」と苦笑いしながら西島はビールを流し込んだ。
 合わせてジョッキを空けた雄介は、すだれを横から少し開けて「ママ~生三つ追加で!」と大きな声で注文した。
 まだ、三分の一ほど残していた柴田が急いで飲み始めた。

 

f:id:masaru-masaru-3889:20161129213434j:plain

http://www.ac-illust.com/

 「はい。お待たせしました」と、生ビールを三つ置くと話が真剣な方向に行っているのを察して、ママは何も言わず出て行った。
 「で、本当のところ部長とはどうなんだよ」と雄介が切り込む。
 「いや柴田が大げさに言いすぎ、俺自身はあんなものだと思う」
 「あんなものとは?」
  「だから、人には合う合わないがあるだろ?」
 「うん。確かにな。部長とは合わないんだ?」
 「いや、違う。向こうが俺と合わないと思っていると思うよ」

 

 西島が続ける。「俺の営業の方法や考え方を良しとは思っていない。わかるだろ?」
 「確かに、よく文句言っているな」と柴田が割り込む。
 「でも、俺の課はノルマをクリアしている。だから直接文句は言ってこない。だから、部長のうっぷんがたまる。俺の何もかもが嫌に見えてくる」
 「こう言う図式が成り立つわけ」と西島が苦笑いした。
 「俺はどっちかと言うと、部長みたいな人間は好きだよ」西島が続けた。
 「え!?」と雄介と柴田の声が重なった。

 

つづく。