マンション管理人.com

管理人をやりながら、世の中の色々を見ていきたい。

小説「マンション管理人.com」第三話③

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https://www.ac-illust.com/

2017.04.19

 

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    小会議室で3人の男が揃っていた。

 神戸営業1課、課長の里 穣と同係長、小笠原 雄介に東京本社総務部総務課、課長の小林 信だ。

 

 「いったい何なんです?東京からわざわざ総務課長が来られての話って」と、雄介がイラつきを隠さず言った。

 「そう、警戒するな。人事とか変な話じゃない」と苦笑いしながら里が雄介を落ち着かせるような口調で「悪い話じゃないから、まぁちゃんと聞け」と言った。

 「いや、別に警戒とかしてませんよ」と言いつつ、上司二人に対しての口のききかたを心中で反省する雄介がいた。

 

 「俺は今の君のご両親の状態をすごく心配している。意味、わかるよね?」

 「ええ、もちろんです。課長にもある程度の事はお話していますし」

 「うん。会社ではマイナスにとられるかもしれないので、隠す人間もいる中で俺にちゃんと話してくれている事には、今更ながら感謝しているよ」

 里が続ける。「そこで、俺にも手伝えることがあるんじゃないかと、ずっと考えていたところに、小林課長からある話をもらったんだよ」

 「あ、ここからはわたしが説明しましょう」と小林が会話に入ったきた。

 

 小林の話はこうだった。

 会社として、国の雇用保険の財源で賄える「育児休業制度」と「介護休業制度」については、早くから社内制度としても整備をしているが周知が弱いのと、社内評価が下がるのでは?との疑念からなかなか利用率が上がっていない現状がある。

 

 先の電報の過労死問題を受け、上層部も働き方改革に取り組み出したところだ。新たな当社独自の制度も検討中だが、早くからある国の制度に則った制度さへ稼働していないようでは、到底先には進めない。

 

 そこで、各支社・支店・営業所の現場にヒアリングをかけて、実は制度を利用出来るのに、利用していない者はいないかリストアップをしていた。そこで、里課長から君の事を聞いて今日はお邪魔させてもらったと小林は説明した。

 

 「つまり、両親の介護の為に長期休暇をとれと言う事ですか?」と雄介は冷静に質問した。

 「ああ、そうだ。実はおれの従妹が雄介と似たような状況になった事がある。もう数年前だがな」と一口珈琲を口に運んでから里が続ける。

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 「その時、仕事の事を気にするあまり対応が後手後手にまわり、大変苦労をしているのを覚えているんだ。今のうちに休んでしっかり体制を整えた方がいい」と言う里の目に真剣みを感じ取る雄介だった。

 

 その後、制度の詳しい内容・取得の手順などを小林から説明を受け、もし休業するなら仕事関係の引継ぎをどうするかも、想定として里と雄介は話した。

 その上で「ちょっと、ケアマネジャーと相談してから返事をさせて頂きます」とこの場の会話を打ち切った雄介は、最後に家庭環境への気配りをしてくれた上司二人にお礼を言って、会議室を後にした。

 

つづく。

by おしょぶ~